シリコンバレーは米国内にある、当たり前ですが

シリコンバレーを称える記事と、シリコンバレーは米国であって米国ではない、米国でも特殊な場所だという論調があります。しかし、よく考えるとニューヨークに関してもニューヨーク特殊論があります。ニューヨークは、米国ではなくニューヨークだと。

シリコンバレーの歴史は、大富豪のスタンフォードが息子の死を悼んで、サンフランシスコ郊外に大学を作ったこと、ウィリアムショックレーが12人の博士を集めて研究所を作ったこと、フェアチャイルドが盛り上がったことなどから始まる訳ですが、、

私がこれまで数多くの国を訪れて理解したことが、国家とはその国の文化に対してカルト的な影響力を持つ、ということです。米国の力強さとは、オープンな議論と、言論の自由と、前向きな精神と、リアリストであること、などから成っていて、なぜ、それが可能になったかと言うと、英国に対する独立戦争に勝って、理想的かつ現実的な連邦政府憲法を作り、激しい議論の末に憲法改正をして、その後改正を重ねて、衆愚に落ちる危険を知りながらも選挙権を拡大して、、という僅か220年の中にすごい密度を持っているから、そのようなプロセスの積み重ねが、米国の強さで、それがシリコンバレーでも花開いている、というのが正しい見方だと思います。

911以降、ビザの条件が厳しくなり、マイクロソフトがエンジニアの確保に苦しむと、ビルゲーツ自ら、ワシントンDCへ乗り込んで、数学と科学教育の重要性と、優秀な外国人受け入れを強く訴えて、米国を強い国にするための手を打っていくような国です。まだまだ米国には学ぶべきことが多いです。今日もヒラリーが、力強く、明るい米国の未来像を熱心に訴えていました。

明治以降の日本がいかに死に物狂いで、西洋文化ではなく西洋文明を輸入したか、「坂の上の雲」を読むとよくわかります。冷戦で一番ラッキーなポジションを得たのは、日本だった。冷戦後は新たな環境での適者生存を、生き続けなければいけない、ということで、現実を見ながら、楽しくやっていきます。


追記 グーグル創業者の一人は、メリーランド大学卒業でした。東西の移動はよくあるという話。