西洋史と進化論を検証する場所としてのカリブ海の絶大な魅力

私の趣味の一つが、フランス語圏の国や島を訪れることでして、2007年末には、カリブ海のサンマルタン島へ行ってきました。そこで、心から驚いたのが、多様な島々持つ文化の固有性です。サンマルタン島は、北半分がフランス領で、南半分がオランダ領なのですが、島を訪れる観光客は、アメリカ、カナダ、フランス、オランダ、その他欧州人が大半。すると、当然、米ドルが優勢なのですが、ユーロの登場で、フランスフランの劣勢は事情変更となったようです。他にもオランダギルダー、カリブドルなど存在するようですが、米ドルとユーロ以外を見る機会はありませんでした。

言語、通貨、人種、交通ルールに関して、整理してみましょう。
サンマルタン 仏領 仏語と英語が主流 ユーロとドル クレオールとフランスから住み着いた人達 右側通行 
サンマーチィン オランダ領 英語 ドルとギルダー クレオールと欧州から住み着いた人達 右側通行
サンバーツ 仏領 仏語と英語 ユーロとドル 降水量少なく、さとうきびが育たなかったので白人のみ 右側通行
アンギラ 英領 英語 ドルとカリブドル クレオール 左側通行
ということで、島という閉じた世界で、それぞれ文化が独自の発展をしていることが体感できるのです。文化に対して、国家の及ぼすカルト的な影響力の強さを感じるには、カリブ海の島々は生きた博物館と言えると思います。コロンブスが発見して、欧州列強が植民地化し、黒人奴隷を輸送し、さとうきびを育て、英と仏と海賊の間で、植民地や収穫物の奪い合いを演じたりして、実は数世紀の歴史を持っています。私は未だ3つの島を訪れただけなのですが、隣接した島の間には、驚くほどの違いが、偶然性と必然性の中に存在して、興奮せずにはいられなかったのです。ということで、カリブ海の島々に対する好奇心と興味は持続中です。仕事を片付けたらば、すぐにでも行きたいです。