ドッグイヤーの再検討からインターネット省設立提案書へ

ムーアの法則は、経験則で、18〜24ヶ月でLSIの集積度が倍になる=コストが半分になる、というものです。(実は、それと同時に、消費電力が下がって、動作速度も上がってます)

ここで、注目すべきが、直線的な変化ではなく、指数関数的な変化であることです。控えめに、24ヶ月でコストが半分になるとしましょう。

直線的変化だと、10年後に、コストは1/10です。指数関数的変化だと、コストは、1/32です。

直線的変化だと、12年後に、コストは1/12です。指数関数的変化だと、コストは、1/64です。

直線的変化だと、14年後に、コストは1/14です。指数関数的変化だと、コストは、1/128です。

ということで、ドッグイヤーは、この半導体による変化の予測出来る、しかも停滞することなく40年以上続いている半導体の技術革新によって、もたらされています。なるほど、2年でコストが半分になれば、それは多くの変化をもたらしますが、それが10年後になると、14年後になると、もう予想出来ない変化をもたらすわけで、ドッグイヤーが、継続的定常的に続くところに、半導体、コンピュータ、インターネット業界の面白さがあります。

インターネット以前から、コンピュータ、半導体、HDDは、このような状況だったのですが、インターネットはネットワークによる情報の集中や、正循環を可能にするので、変化が加速されます。

このような定常的なコスト削減と性能向上は、人類史上初めてのことで、しかもその対象は情報ということで、グーテンベルグの印刷革命以上の効果があるはずと、池田信夫氏は考察してます。

池田さんは、これらの変化のもたらす結果を、氏自身も小飼弾氏も見届けることは出来ず、残念だと言ってますが、私も同様です。しかし、死ぬまで飽きることはないわけです、インターネットの社会と経済と文化への影響に関心あれば。

少し脱線しましたが、これらの技術革新に対して、人間も社会もその非連続的な変化に追いつくことが出来ていないのが、昨今のWinny問題だったり、CD、ラジオ、テレビ、通信業界、省庁の対応です。

具体的に言うと、Valueのないモノに、お金は支払われないし、経済合理性、効率性は常に世界中で働いていて、SkypeYouTubeによって、業界地図は変わらざるをえない。インドと中国から安い車は入ってきて、安全性の要求で、非関税障壁を作るのは可能だけれども、健全な競争を促すやり方でないと、長期的に社会活動は停滞し、国は滅びます。

Winnyは、技術自体は、革新的だったが、悪用されることを見越していた点が悪質だったとも言えます。しかし、社会的に有効活用する方向に導くことは出来なかったのか、疑問は残ります。

技術が有効活用も悪用も可能であることは、原水爆と原子発電所の差異のように明らかです。

以上、つらつら考えますと、これら技術変化に対して、法制度が追いつけないことは、明らかになりつつあって、インターネット省を新設しまして、インターネットを社会の発展に役立てるために、法制度と行政を、変革したらよいと思います。

以上