既存大手メディアとアルファブロガーに関する考察

ワシントンポストを読んでいて、日経その他との違いを感じるのは、よく言われていることですが、日系報道機関は客観報道にこだわるため、真相の見えないつまらない記事になりがちだということ。ワシントンポストの大統領選挙報道は、人種、宗教に関して、多面的な見方を掲載しているように見えます。

一方で、今回、百度の日本進出に日本のアルファブロガーのみが呼ばれたこと、NHKの不祥事に関して池田信夫氏がNHKの内情分析と建設的な再建案を報告して、大きなアテンションがあったことは、既存メディアにとっては重要な出来事だと思われます。つまり、アルファブロガーもメディアとして立派に機能し始めていて、既存メディアと両立し始めたということです。

米国でメジャーメディアを月購読をすると、過去の記事は全て検索可能となって、大変便利です。インターネットの速報性、検索性、双方向通信性という本質的な機能は、もはや紙では戦えない機能であって、既存メディアはインターネット対応する以外の選択肢はないでしょう。

既存大手メディアの持つ優位性は、これまでのブランド、蓄積された知識、経験、一次情報の魅力と信頼性などですが、大手メディアも詰まるところ個々の記者の取材力、分析力の総和から成り立つ以上、大手ブランドに安住は不可能で、今後は記者が実名で、アルファブロガーと競争する仕組の構築が不可避と感じてます。

ということで、インターネットは改めて、既得権益層にとって、脅威ですが、実は大手メディアもインターネットをフル活用可能なわけで、その点ワシントンポスト、ウオールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズなどを参照するといいのだと思います。むしろ業務プロセスをインターネット報道中心に変えて、洗練された広告システムを作成し、紙もついでに配布する、のが正しい方向性なのかもしれません。

いずれにせよ、これまで以上に、取材力、分析力、編集力が要求されることは確かだと思います。


ところで、百度ですが、既にヤフーとグーグルで寡占され成熟飽和してそうな日本検索エンジン市場への挑戦ということで、非常に興味深いです。アルファブロガーを味方にして、しかも無料でコンサルまでさせてしまっている辺りが、賢いと思います。アルファブロガーネットワークは知的に楽しそうで、羨ましいです。